2017 Cyclocross Tokyo

今年もこのレースに参加させて頂いた。シクロクロス東京。都市型シクロクロスということで、お台場海浜公園で開催、観客は延べ2万人来られたようです。毎年、この大会では海外招待選手が招待され来日し、その選手達を迎え撃つ構図。僕は主催者様側が用意した選手と真剣に向き合って勝ちたいと毎年思う。母国の大会で日本人として、なめられたくない。勝敗によらずとも、日本人は強かった。そう言ってもらえなきゃ、選手として悔しいからね。フランス人のスティーブ・シャネル選手。日本ではあまり知られてないのかもやけど、ヨーロッパではスター選手。彼がFDJ、僕がVeranclassicDoltciniのとき、ロードレース、フランスのUCI第1カテゴリーのTro–Bro Leon で一緒にレースした。序盤から一列棒状で落車が発生、集団後方にいた僕はメイン集団から遅れ、シャネルも一緒に遅れた。みんなで集団復帰のためにローテーションするも、横風がきつく、追いつけない。でも彼は結局、アシストを使いつつ、たった2人で集団復帰していった。僕は置いてけぼり、そのあとなんとか集団復帰したけどパンクでリタイア。彼はゴールしてたと思う。その時の、暴風雨の中、バカ踏みする彼の姿が頭から離れない。ってな思い出のある選手。ジェレミー・パワーズ選手はクロスの全米チャンピオンを毎年背負い、ヨーロッパで戦う姿を自分と勝手に照らし合わせ、ヨーロッパで苦労しながらレースする姿に自分もやらねばと力をもらう選手。2年前のシクロクロス東京きっかけに仲良くなり、ワールドカップで会うたびにいつも話しかけてくれる。今年は全米チャンピオンではないけれど、彼の苦労は如何程かと思うと尊敬してしまう。あとオーストラリアチャンピオンのクリス選手。直接会話したことはないけど、彼の走りはパワフルでワールドカップでもいつも僕よりももっと前で走る選手。彼の存在は知っていた。あとの海外選手はよく知らないので、とりあえずレース始まってからの出たとこ勝負。
photo by KeiTsujiで、レース当日は天気も良く、ドライ。タイヤはDugastのPipisquallo33mmで前後1.2Bar。森林区間はリム打ちするけど、パンクしない程度にリムを打たせつつ走り、コーナーもよじりつつ走る。砂区間が長いので低圧にすることでタイヤの面積を大きくし浮力を稼ぎ、砂区間で乗車し 最大の勝負をする、そして、体力の消耗を抑える。さて、スタート。招待選手の僕ちん、2列目スタート。ノーコールアップ。笑。パワーズにもなんでなんだと言われたけど僕が聞きたい。でも、そのおかげでスタート位置は考えて選べた、砂区間が始まるほんの100m先までにどんだけ前に上がるかが勝負。2列目であることには変わらず、かなり不利。けど、今年はシーズン序盤の頃からスタートの調子がいいので、号砲と共にフル加速。僕の前に並んでいたシャネルにくっつき、そのまま砂区間に入る右コーナーをインにつけ、落車は隣のアウト側で起きたけど、落車起きる前にもう2番手で入るラインどりできてたし、ノープロブレム。スーパープレステージやワールドカップに比べたら転かされないし楽ちん。シャネルに続き、2位で砂区間に入る。そのあとはシャネルの動きを見つつ真似しつつ、ラインどりを選んで彼をパス。とりあえずトップ。
photo by KeiTsuji彼からしたらクロスのレースで日本人に抜かれるなんてあり得ないと思う。ごめんね。
photo by KeiTsujiそのあとは、シャネル、クリス、パワーズ、僕の4人で大まかなパックになり、レースを進める。先頭に出れるうちは積極的に前に出て、レースを作らせてもらった。砂区間で乗車できる体力があるうちはトップを走るのは不利だったけど、しょうがない。後ろについて、前の選手を真似する方がミスも少ないし、ラインのトレースもしやすい。前の選手が下手っぴだったら困るけどね。
photo by KeiTsuji4、5周回目でシャネルの動きが変わった。先頭に出て、ペースアップ。砂の上のスピードが増し、その分バイクも安定し、ラインをトレースし、ミサイルのようにすっ飛んで行った。ついていくしかない、とりあえず真似。ラインのトレース中に一気に踏み込み続け、バイクを安定させる、逃がさんべ。めっちゃきつい。
photo by KeiTsujiってことでその後2周ぐらいで彼とは20秒ほどの差が開き、その後も差は開く一方。僕はパワーズと合流。二位パック。先頭をお互いに変えつつ走行。四位クリスとの差は等間隔。終盤にかけてパワーズを一度突き放しにかかった。でもいくら攻めても10秒以上離れない。そりゃそうか。相手はこっちの動きをずっと見える。苦しい。ラスト2周。潮の関係で波打ち際のラインが消え、ライン変更するも頭の回路がうまく回らずあたふた。そうしてるうちにパワーズに抜かれる。10秒ついた差はゴールまで埋まらず、3位でゴール。
photo by KeiTsujiレース後、パワーズと話したけど判断力が良い。僕みたいにそりゃアホでないなぁと思った。乗車して攻めるところ、守るところのメリハリが上手いなぁと走っていて思ったけどやっぱりそう。今思うと二位は可能だったかもね、悔しい。
photo by MomikoTanne今回も勝ち切れなかったけど、シャネル、パワーズ、クリス選手それぞれとレースさせてもらい、勉強させてもらった。これを糧にまた来シーズン頑張ろうと思う。今回のレースは今シーズン最初の頃の元気なポジションで走ることができた。やはり疲労度によって、バイクポジションを変えてしまうのがよくない。疲労度なのか、正常な状態でも速いベルギー向きのポジションなのか、その指標が今日のレースでよくわかった。10月のベルギーでのレース、バイクが暴れるけど飛ぶように前に進んでいく。スタートも今までとは違うキレ。そのポジションでシーズンを通して走りきれる体力が必要。日本にいれば今回のように問題ない。そりゃ生活も楽で、ストレスフリー。体は元気。でも、それは意味がない。海外に渡り、ボロボロの身体で帰ってきても日本で勝つ。そんな選手になれるよう、今まで通りやっていこうと強く思った。
photobyKeiTsujiなにはともあれ。このレースで今シーズンは終わり。また、まとめブログあげます。シクロクロス東京で応援して頂いた皆さま、ありがとうございました。ご期待に添え切れない走りですいません。みなさんともっと一緒に喜べるレースができるように頑張ります。今後ともよろしくお願いします。竹之内悠

0コメント

  • 1000 / 1000